国語読解のツボ
まえがき
【はじめに】
  塾の講師をしていて、生徒から質問されるのは
  算数のむずかしい問題とか英語のややこしい構文とか、
  社会や理科の知識とか、そんなことが多い。

  ぼくは国語の授業に入ることが多いのですが、
  漢字どうやって書くのってきかれることはあっても、
  「この問題はどうやって解くの?」ときかれることはない。
  記述式の問題があったとして、「なんでこの答えだったらだめなの?」ときかれることはない。

  本当は、「この問題はこうやって解く」「記述式の問題はこうやって書く」というきまったやり方が、
  数学の問題ほどパターン化されてはいなくても、国語の問題にも解き方ってものはあるはずなのに、
  「この問題の答えは、ほら45行目に書いてあるだろ、これから考えたら、答えはイです」
  なんて、そんな授業がある。
  その45行目にたどりつくための方法を、考えていきたいと思います。
  そりゃ確かに、そこに書いてあるかもしれないけど、それを探すのが難しいんだから。

  「国語を得意にするためには、たくさん本を読むことだ」とか言う以外にないものか、
  本文を読んで、なんとなく選んで、なんとなく書いてというフィーリングに頼る方法以外にないものか、
  ずっと考えていた。
  
  ちゅーわけで、国語の問題を解くときに、こんなことに注意したらいいんちゃうかなってことを
  つらつら書いていきます。
  ぼくもまだ試行錯誤の日々ですが、ひとつよろしく。   
本文の文章を読む前にするべきこと
かならずすること
  @ 本の題名をチェック → おおよその内容を考える

  まず、問題文を読む前にちょっと待った。ちょっと待ったコール。
  いきなし読みすすめても、
  わけわからんうちに読んで、
  わけわからんうちに読み終わって、
  わけわかってないまま問題解くハメになりかねない。

  そんなことは、できれば避けたいところ。

  読む前に予備知識として、「この話はこんな話だね」ってのがあたまにあると、だいぶちがうでしょ。
  「そんなん言ったって、はじめて読むんだもん、やっぱしわけわからん」という生徒もいるが、
  国語の問題には内容について大きなヒントが書いてある。
  「こんな話を、今からしますよー」って書いてあるところがある。

  だいたい、問題文の最後にその文章の本の題名が書いてあるでしょ。
  「なぜカラスは都会に生きるのか」とか「住まい方の演出」とか「時間に関する十二章」とか
  題名のところにそう書いてあったら、
  「ふむふむ、カラスが都会で生きる話なのね」とひとつ納得。


  A 暗記物をやる (漢字、文法、文学史など) は先に解く。

  しかし、まだ本文は読まない。
  先に漢字や文法、文学史などの知識問題を先に片付けてしまいましょう。
  こういった問題は、知ってるか知らないかだけだから、
  うーんと考え込んで時間を使わないこと。
  間違っても、あとまわしにして知識問題やる時間がなかったなんてことはないように。
  知ってれば解ける、知らなかったら解けない。
  さらっと解いて、次に進む。


  B 問題に、脱文補充タイプ、段落並べかえタイプがないかチェック

  問題の解き方のところでくわしく述べる予定ですが、
  脱文補充のパターンや段落並びかえの問題は、
  その問題文に書いてある言葉を頭にいれながら本文を読んでいったほうが効率がいい。
  たとえば、
  「環境の安定が生物の生命の維持にとって必要である」という文を本文のどこかに入れる問題なら、
  「環境の安定」とか「生命の維持」とかいう言葉に注意しながら本文を読んでいけばいい。
  これに限らず、設問をしっかり把握してから問題にあたる、というのは国語の問題を解く上で重要です。
  問題文を、きっちり読んでから問題解くようにしましょう。


  C 本文を読む

  なんとなく内容がわかって、
  知っとけば解ける問題はやっちゃって、
  どんなことをきかれるのかある程度わかったら、
  そしたら、いよいよ本文を読んでいきます。
文章の種類
論説・説明文
  国語の問題を解くために大切なこととは、なんだろうか。
  まず重要なことは、文章とはなんらかの主張を伝えるために書かれたものであるということだ。
  文章とは、何かいいたいことがあって、それを言うために書いたもののことなのだ。
  その文章にある、「これが言いたい」「これを伝えたい」という主張を探すのが、内容理解への近道。

  たしかに、「なんかむずかしくて、何言ってるかわからんわこんなもーん!」という声があがるのも事実。
  しかし作者の主張を読み取るためのヒントが本文の中に散らばっている。

  そのヒントとして、「こんなところに注目したら作者の主張を探しやすいよ」というポイントを挙げます。


  @ 文頭が、   大切なのは〜〜 重要なのは〜〜 
    文末が、   〜〜重要である。 〜〜大切である。 〜〜ねばならない。 〜〜注意したい。

   このような文があれば、作者がわざわざ「重要だ」と言ってくれているのだから、
   それはもう重要なのである。


  A …… とは 〜〜  の形

   大事なことを説明するときに使う文型。要チェックです。
   文章というものは、結論を書くときは英語でいうSVCの形になるものです。
   「〜は〜する」という形ではなく、「〜は〜である」という形に主張がある。


  B たしかに        しかし
    もちろん   ……   だが     〜〜    
    なるほど       (逆説)

   これは基本の基本の基本の基本。
   逆説譲歩の形。
   たしかに …… と反対意見を受け入れるふりをして、
   しかし、 〜〜 と自分の意見が正しいことを言う。
   〜〜の部分に作者の主張がくるパターン。
   自分の言いたいことを言うだけじゃなくて、一応あなたの意見の考えてみたんですけどね、
   でもやっぱり自分の意見が正しいんですよ
   といういやらしい構文だが、よくでてくるので注意。


  C 段落のあたまが  このように、 こうしてみると、 などで始まっているとき

   私が今まで述べたことをまとめて考えてみると、と今までの話をまとめて結論に入るしるし。
   漫才師が話のフリからネタに入るときの、手を前後運動するあれに似てますな。

   作者の意見がまとまって書かれているので、じっくり読むこと。




  D 文全体に、くどいくらいに繰り返し語句が含まれている文。これはかなりくさい。

   たとえば、本文に何度も「自然社会の決まりは」とか「自然界では〜というルールがある」とかあったら、
   それがテーマ。
   本文を読んでいて、「自然」とか「ルール」とか繰り返して含まれている文があったら、
   それは作者の主張の匂いがプーンとする。


  E 対立語
   国語の問題では、「アメリカと日本」「都会と田舎」など、反対のことを持ってくることがよくある。
   自分の言いたいことをはっきりさせるために、正反対の例を持ってきて比べて、
   「ほら、ふたつを比べたらわかりやすいでしょ」とするやり方。
   この場合、どっちかが作者が賛成するもので、もう一方はダメなものとして書かれているのだが、


   作者の主張             反対意見

   心  精神             体  肉体
    子供                大人
    田舎                都会
    自然                人工
    過去               現在 未来

   というパターンであることが多い。

   「昔よりも、未来のほうがいい」という結論では、当たり前すぎる。
   わざわざ文章にして書くくらいだから、当たり前ではないことを書いている。
   ぼくが教わっていた樋口裕一という先生は、
   「文章はすべて何かに反対している」と言っておりましたが、
   他人とは違うことを言って述べるために文章を書くというのは、たしかにあります。

   F 疑問文
   「〜だろうか?」「なぜ〜なのだろう?」など、自分で疑問出して、自分で答えるパターン。
   「日本人はなぜ対話ができないのだろうか」とあったら、それがテーマなのである。
   だいたいは後ろのほうに、「日本人は農耕民族だから」とか「日本は島国だから」とか理由がある。


   G 第一に、第二に、…… とか、はじめに、つぎに、……

   これは、作者の主張を探すものとはちがうけれども、大事なので。
   こういった表現はしるしをつけてチェックするべし。
   「本当に豊かな生活とは何か」とあって、
   「第一に自分自身を知ることだ」「第二に自分をいかす道を知るべきだ」とあったら、
   @自分自身を知る、A自分をいかすと下線をひいてゆく。
   問題できかれることが多いので、読みながらチェックね。


   H だいたい、最後に結論がある  

   もう、これは基本の基本の基本の…(以下略)
   文章はだいたい、はじめにテーマを書いて、最後に結論を書いている。
   (たまに、いちばんはじめにテーマと結論があるパターンもある)  
   基本的には、最後の段落に結論があると思って間違いない。
随筆文
  説明・論説と物語・小説のあいだくらいの中途半端なもん。
  基本的には論説文の読み方で良い。
物語・小説
  とくにおさえることは、

  @ 登場人物  … それぞれの性格をおさえる → 性格をとるには、会話と行動をおさえる。

  A 場面の流れ … これは大事。
   「この物語を三つに分けるとしたら…」なんて問題がよくあるから。
   基本的には、@場所の変化A時間の変化 のふたつ。
問題を解くために

その1 空欄補充タイプ
接続語あてはめパターン
  @     つまり
    〜   すなわち     …     空欄の前後の内容が同じであれば、この形
        要するに


  A        しかし
        〜  けれども   …       空欄の前後が反対の内容のとき。
           だが
  あと、 日本←→アメリカ、ヨーロッパ 自然←→人工、文明 過去←→現在、未来
  というパターンがよくある
  空欄の前後にこのことばがあれば、逆接の接続詞をいれておいて間違いない。


  B   〜  たとえば  …
         ような           抽象的なことがきて、そのあと具体的なものがくるとき。
     抽象   →   具体       内容としては、ほぼ同じことをいっている。



  C コンビネーションでわかるもの
      もし   〜 なら れば たら
      なぜなら 〜 から ので ため
      なぜ   〜 か
      たぶん  〜 だろう
     おそらく  〜 だろう

 空欄の文の文末にヒントがあることがある。呼応の副詞を覚えていれば問題なし。


  D 原因  だから  結果
    結果 なぜなら 原因(から ため ので)


  E 段落の出だしが空欄になっているときは、
    さて        といった話題を転換する接続詞があやしい。
    ところで


  F そして   これは何にでもあてはまってしまうので、いったんはずす。
         ほかにどうしてもなかったら、最後にこれ。
擬声語・擬態語あてはめパターン
 小説の問題であるけども、必ず前後をみてあてはまるものから埋めていくこと。
  @  擬態語 … 様子をあらわす言葉
  例 カーテンがゆらゆら揺れる
  カーテンがゆれるときに、どんな様子がふさわしいか、考えてください。


  A  擬声語 … 音をあらわす言葉
  例 カミナリがゴロゴロと鳴る
  雷が鳴るときに、どんな音がしたらいいか、

  宮沢賢治がいたら全部バツくらいそうな、国語の問題としてはレベル低い問題だけど、よくあるね。
副詞あてはめパターン
  どんなふうに、という部分が空欄になっているパターン
  例 夏の終わりに街は静かだった。電車が□と走っている。
  静かな街なんだから、「猛然と」とか激しく走るのではなく、「ゆるやかに」とか「ひっそり」とかを選ぶ。
  例 I川先生は次々に生徒を指名した。生徒は□手をあげた。
  次々と指名しているのだから、「どんどん」とか「われさきに」とかなる。
  述語の部分をみて、それがどんなふうにしたらいいか考える。

  この手の問題は、感覚に頼るところが多くなってしまうので、根本的には読書量がものをいう。
  入試までにどれだけたくさんの文章読んだかって部分があるので、本を読むか問題たくさん解くか。
その2 指示語の問題
  @ 基本的には前を見る
       ↓     これこの → 近く
       ↓     あれあの → 遠く
       ↓     それ その → まず近くを見て、なかったら遠くへ
    もし前になかったら、後ろをさがす


  A 指示語の部分が主語のとき、まず述語をみてその内容を踏まえたうえで指示語よりも前を探す。
       ↓
    指示語が含まれる一文はじっくり読むこと
その3 理由説明・なぜですか問題
  @ 問題部分の近くで、「〜から」「〜ので」の文を探す。
       ↓ なければ
  A 文文の内容を読み取り、原因と結果の関係になっているものを探す。
     例 M田先生はふられた。M田先生はやけ食いした。
           ↑ 「〜から」と書いてなくても、これが理由だとわかる。
  B 設問と同じ内容・構成の文を探し、文末にむりやり「〜から」をつける。
      (あまりおすすめできないけど、どうしてもわからないとき。部分点もらえる)
その4 〜とは何か問題
  @ 「何」とあるので、基本的に名詞。


  A 文で書くのなら、文末を名詞か形式名詞「〜こと」「〜もの」にする。
その5 脱文補充問題
  @ 脱文中の指示語、接続語、キーワードをチェックそしてチェック。


  A 本文で何度も見かけたキーワード(目立つ言葉)は注意。
   本文に照らし合わせて同じ言葉があれば、その近くにほりこむ。
   指示語、接続語、内容を見比べて確認。


  B 脱文が逆接で始まっているときは、逆接譲歩の形が近くにないか見る。けっこうあるこのパターン。


  C 脱文は、段落の最後に入りやすいのでチェック。
その6 段落並びかえもんだい。
  @ 並びかえの段落の一文目とラストの文に注目。


  A その中で似たような内容の言葉をチェック。基本的には並び替えの各段落には似た内容の言葉が続くようになっている。

その7 文並びかえ問題
  @ 基本的には段落並びかえ問題と同じ


  A 指示語、接続語のつながりを見て、内容がつづくようにする。
その8 段落分け問題
  @ 「さて」「ところで」の話題転換語に注意


  A 文中の繰り返し語句や内容が、急に変わる。
      (@は邪道、Aは王道。しかし@Aともにほぼ100%の確率で分かれる場所)


  B 時間、場面が変わる


  C @からBがすべて駄目でピンチなとき → 逆接で始まる段落 (ただし信頼度はかなり落ちる)


  D 結論の段落は、それだけ独立している。

  たとえば、
  @A − BCD − EF − G (Gが結論だとして、FGとくっつくのはあまりない)
その9 内容一致問題
ブツ切りにする。

  ア ―――/――――/――――/――――/―――――。
  イ ―――/――――/――――/――――/―――――。
      読点で区切って、そのつど○×△を判断。
その10 題名つけ問題
  @ 繰り返し語句が入っているものを選ぶ


  A 本文の題名を見て、主題になりそうかどうか見る。
その11 段落の関係をきく問題
  段落と段落とがどういう関係でつながっているか。
  都立入試では毎年必ずといっていいほど出題されている問題です。
  これは後の段落がどんな言葉で始まっているかを見るだけで解けてしまうことがかなりある。

例 三段落と四段落との関係を説明したものとして適切なのは、次のうちではどれか。

  ア 第三段落で述べた内容に対して、第四段落ではそれとは反対の内容を示して話題の転換を図っている。
  イ 第三段落で述べた内容について、第四段落ではそれとは異なる観点から対照的な内容を示している。
  ウ 第三段落で述べた内容に基づいて、第四段落ではその具体例を挙げて論旨を理解しやすくしている。
  エ 第三段落で述べた内容を受けて、第四段落ではその要点を整理して論の展開を図っている。

  さて、ここで後ろの段落(この場合は第四段落)のはじめをみてみると、
  「このように・・・」となっていて、これはそれまでに書いた内容をまとめるときに使う言い方である。
  そこで答はエの「・・・要点を整理して・・・」が正解ということになる。
  他にも、
  「ところで・・・」→話題を転換する接続詞で始まっていたら、
  「・・・新たな問題点を提示して・・・」という選択肢が正解。

  後半の段落が「しかし」(逆接の接続詞)で始まっていたら、
  選択肢の中に「・・・逆の・・・」や「・・・反対の・・・」という言葉が入っている選択肢を選ぶ。

  「例えば」なら「具体例をあげている」といった選択肢が有力な正解候補となる。
とりあえず
  ひとまず、論説文の基本的なところまでまとまてみました。
  あとは実際の問題に即して説明していこうと思います。
  ひとまずは、ここまで。 (*- -)(*_ _)ペコリ